プレイステーション専用タイトルとして現在でも高い人気を誇る「アンチャーテッド」シリーズ。
世界的な人気タイトルとなった「アンチャーテッド」シリーズ、その第3作目が「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」です。
「クラッシュバンディクー」シリーズや「ジャックxダクスター」シリーズを制作してきた「ノーティドッグ」が、PS3用ゲーム史に残る傑作として完成させた「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」の続編にあたります。
前作「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」で、ゲーム界のアカデミー賞と呼ばれる「AIAS Game of the Year」の受賞を始め、世界中で数々のアワードを受賞したことで名実ともに傑作タイトルとして世に広まった「アンチャーテッド」シリーズ。
その引き上げられまくったハードルに果敢に挑み、プレイヤーを落胆させなかった希少な作品でもあります。
基本的なコンセプトやゲームシステムは1作目、パワーアップした2作目から踏襲しつつも、より映画的演出を多く導入することで「良い意味で」2作目との差別化を図っています。
プレイ感覚は良作な2作目と同様でありながら、より「観る・魅せる」ことに特化した作品である印象を受けました。
前作から引き続き搭載されたマルチプレイモードもより洗練され、オンライン環境があれば世界中のプレイヤーと対戦・協力プレイが可能で、本編クリア後も長く楽しめる作品となっています。
今回も私はプラチナトロフィー獲得のために少ししかマルチプレイを遊んでいないため、本記事ではマルチプレイに関しての情報は割愛させていただきます。
前作・前々作同様に「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」も、もちろんプラチナトロフィー獲得まで一気にプレイしました。
前回同様、3作品通してプレイしたからこそ感じた違いや、良い点、悪い点、3作品通しての総評を以下にレビューしていきたいと思います。
基本情報
PS3版「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」
開発元:ノーティドッグ
販売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日:2011年11月2日
ジャンル:アクションアドベンチャー
プレイヤー人数:本編1人、オフライン協力2人(専用シナリオ)、オンライン対戦・協力2~10人
ストーリー
16世紀の伝説的な冒険家であり、私掠船の船長でもあったフランシス・ドレイク卿。
主人公はフランシス卿の子孫を自称する若きトレジャーハンター「ネイサン・ドレイク(通称:ネイト)」。
ネイトは相棒のサリーと共に広大な砂漠に眠るとされる幻の古代都市「アトランティス」を探す冒険へと旅立ちます。
しかし、その行く手にはネイトとサリーの過去を知る数少ない人物で謎の秘密結社の冷酷な指導者でもあるキャサリン・マーロウが立ちはだかります。
敵との熾烈な戦いを潜り抜けながら古代都市の秘密を暴いたネイトは、かつてないほどの危機に直面し、彼自身の奥底に秘められた恐怖と対峙することになります。
レビュー
レビューまでの総プレイ時間:約30時間
ボリューム:★★★☆☆(マルチプレイモードを除く)
グラフィック:★★★★★
サウンド:★★★★☆
操作性:★★★★★
熱中度:★★★★★
継続性:★★★☆☆(マルチプレイモードを除く)
満足度:★★★★★
良かった点・悪かった点
前作「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」で、ひとまずの完成をみた「アンチャーテッド」シリーズ。
個人的に「アンチャーテッド」シリーズが優れていると感じる部分として、プレイヤーの感じた良点が続編で改悪されることがないことにあると思います。
過去作で手応えのあった良点は可能な限り引継ぎ、大幅な変更を取り入れないまでも細部にこだわった改善でプレイヤーの期待を裏切ることはありません。
進化の仕方を観るならば「ドラゴンクエスト」と同様のイメージを受けます。
ですので過去作での良点はほぼそのまま引き継いでいると思って頂いて結構です。
【↓過去作の良点については以下の記事をご覧ください↓】
また「悪かった点」も前作同様、正直見当たりません。(汗)
このシリーズはそれほどまでに完成された作品であると言えます。
「良かった点」「悪かった点」については、もう過去作との比較を前提にお話しする部分しかあまりありませんので、今回のレビューでは「他のシリーズとの比較」で本作特有の魅力をお話しできればと思います。
他のシリーズとの比較
第1作目「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」、第2作目「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」、そして第3作目「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」。
本レビューのポイントであります、3作品通して一気にプレイしたからこそ感じたシリーズ内の比較をしてみます。
それではいってみましょう。
より映画的演出が強調された作品
「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」では、「本能が冷や汗をかく」まさに手に汗握るゲームプレイに主軸を置いた作品でしたが、本作では「自らのプレイで魅せて観る(自作)」なんてキャッチフレーズがいいんじゃないかと思わされるような作品です。
前作では「良い意味」で常に慌ただしいゲームプレイが要求されたイメージがありますが、本作ではこちらも「良い意味」で"静"の良さを引き出したゲームプレイが楽しめます。
具体的にはネタバレに繋がってしまうので割愛しますが、ドンパチ撃ち合ったり逃げ回ったりすることだけが「魅せる」「楽しい」ことではないと気づかされます。
舞台が砂漠なだけに「風ノ旅ビト」のゲームプレイも思い出すような、雰囲気すら楽しめる作品です。
アクション面で完成された「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」との差別化をこのような形で達成してのけた開発スタッフは本当に凄いと思います。
ネイトとサリーの出会いを追体験
危険をかえりみず、謎と冒険の匂いに誘われるまま旅を続けるネイトと、お宝・お金に目がなく私腹を肥やすことを最優先に考えているようにも見えるサリー。
一見すると相反する性格・性分の人間にさえ感じます。
そんな二人の深い関係性を紐解くには二人の出会いを知ることは必須だったと言えるでしょう。
過去作では語られなかった二人の出会いが「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」でついに明らかとなります。
多くを語られなかった二人の関係・絆を知ったとき、より二人のキャラクターの行動・発言に胸を熱くすることは間違いありません。
二人の関係を知ったのち、過去作での二人の会話に今一度耳を傾けてみたいと思わず感じてしまいました。
この二人の出会いを追体験できるシナリオだけでも「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」が特別な価値を持った作品だと言えると思います。
バランスは良質だがアクション面はやや減少か!?
非常に好みの分かれるところだと思いますが、「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」に比べるとアクション面での演出はやや控えめになっていると言えなくもありません。(ごくわずかな差)
それぞれの作品の良い点でもあるのでマイナスなイメージはつけたくありませんが、「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」以上の派手なアクション、危機的状況の突破を望んでいる場合は期待に沿えない可能性もあると言えるでしょう。
その差こそが良作な2作品の個性であり、面白味でもあるのでプレイをためらうなんてことにはならないで欲しいのですが、作品毎の特性として知っておけば安心してプレイして頂けるかと思います。
まとめ
PS3版「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」【評価:85点】
世界的人気シリーズ「アンチャーテッド」のPS3最後の作品となった第3作目「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」は、引き上げられまくったハードルに果敢に挑みつつ見事に飛び越えた名作だったと言えると思います。
シリーズ3作品を通してプレイした後の感想としては、第1作目から順番にプレイしたことが本当に良かったと感じました。
第1作目「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」で「アンチャーテッド」シリーズの礎を感じ、第2作目「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」で見事な大作として完成された珠玉のゲームプレイを堪能できました。
そして第3作目「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」では、よりプレイヤーに感動を与える演出やシナリオで「アンチャーテッド」シリーズをプレイしてきた人にとって忘れられない思い出の作品になるでしょう。
私はシリーズ作品として「バイオハザード」シリーズや「デビルメイクライ」シリーズも好きですが、全体の作り込みで言えば「アンチャーテッド」シリーズは他のシリーズ作品よりも頭一つ抜きん出た印象のシリーズ作品ではないかと今回感じました。
現在ではより解像度とfpsが高く(1080p/60fps)プレイしやすく改善・調整・リマスターされた「アンチャーテッド コレクション(3作品収録)」がPS4から発売されていますし、まだシリーズ未経験の方には是非ともオススメしたい作品です。
またPS4では「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」の続編で「アンチャーテッド」シリーズ完結編でもある「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」や、「アンチャーテッド」シリーズの人気女性冒険家「クロエ・フレイザー」の活躍を描いたスピンオフ作品「アンチャーテッド 古代神の秘宝」が例にもれず高い人気を博しています。
シリーズ3作品を通してプレイし、良質なゲーム体験と記憶に残る感動を与えてくれた「アンチャーテッド」シリーズ。
特別な時間を与えてくれた「アンチャーテッド」シリーズと制作会社「ノーティドッグ」に本当に感謝致します。
最後までご覧頂きありがとうございました。