プレイステーション専用タイトルとして現在でも高い人気を誇る「アンチャーテッド」シリーズ。
世界的な人気タイトルとなった「アンチャーテッド」シリーズ、その第2作目が「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」です。
「クラッシュバンディクー」シリーズや「ジャックxダクスター」シリーズを制作してきた「ノーティドッグ」が、PS3用ゲームとして初めて手掛けたタイトル「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」の続編にあたります。
ゲーム界のアカデミー賞とも呼ばれる「AIAS Game of the Year」の受賞を始め、世界中で数々のアワードを受賞し名実ともに制作会社「ノーティドッグ」を世に知らしめた作品です。
基本的なコンセプトやゲームシステムは前作から踏襲しつつも、ゲーム内のすべての要素に大幅な強化が図られています。
また本作からはマルチプレイモードが採用され、オンライン環境があれば世界中のプレイヤーと対戦・協力プレイが可能となっています。
私はプラチナトロフィー獲得のために少しだけマルチプレイを遊びましたが、特に語れるほどプレイはしていないので本記事ではマルチプレイに関しての情報は割愛させていただきます。
前作の「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」に続き「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」も、もちろんプラチナトロフィー獲得まで一気にプレイしました。
前回同様、3作品通してプレイしたからこそ感じた違いや、良い点、悪い点を以下にレビューしていきたいと思います。
基本情報
PS3版「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」
開発元:ノーティドッグ
販売元:ソニー・コンピュータエンタテインメント
発売日:2009年10月15日
ジャンル:アクションアドベンチャー
プレイヤー人数:1人(オンライン時:2~10人)
ストーリー
16世紀の伝説的な冒険家であり、私掠船の船長でもあったフランシス・ドレイク卿。
主人公はフランシス卿の子孫を自称する若きトレジャーハンターの「ネイサン・ドレイク(通称:ネイト)」。
ネイトは歴史上から忽然と姿を消したマルコ・ポーロの船団の真実を探求する旅に出ます。
そして、彼が発見した新たな真実......。
マルコ・ポーロの旅には隠された目的がありました。
フビライ・ハンの意を受けたマルコ・ポーロは、神秘の王国「シャングリラ」を目指していました。
そこにあると言い伝えられる"願いを叶える宝石"「チンターマニ石」を探し出すために。
のちにマルコ・ポーロが"巨大なサファイアの原石"と記したその宝石は、実在すれば時価数十億円にもなる秘宝中の秘宝です。
ヒマラヤ山脈の奥地に潜むと伝えられる神秘の王国「シャングリラ」の発見のため、ネイトは魅惑と危険に満ちた冒険に出ることになります。
レビュー
レビューまでの総プレイ時間:約30時間
ボリューム:★★★☆☆(マルチプレイモードを除く)
グラフィック:★★★★★
サウンド:★★★★☆
操作性:★★★★★
熱中度:★★★★★
継続性:★★★☆☆(マルチプレイモードを除く)
満足度:★★★★★
特に良かった点
前作「アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝」からあらゆる点、いえ、むしろすべての要素が大幅に強化されています。
前作で特に良かったと感じた部分も、例外なくパワーアップしています。
ゲーム史上誰もが認める傑作である本作は、良い点を挙げると正直キリがありません。
なので本作については「特に感動した点」という観点でお話しできればと思います。
手に汗握るストーリー展開
まさに「やめ時を見失う」という表現はこの作品のためにあるといっても過言ではありません。
衝撃的な場面でのプロローグから始まり、過去の出来事を丁寧に回収しながら「シャングリラ」の謎に迫っていきます。
魅力的な登場人物たちと共に描かれた協力と陰謀に、常に続きをプレイしたくなってしまいます。
本編をクリアしてしまうのがここまでもの寂しく感じたゲームは「ラスト オブ アス」と本作以外に経験がありません。
もっともっとネイトを操り冒険し続けたいと感じさせられました。
ゲームをプレイしていて「なんか飽きたなぁ」と感じたタイミングは一瞬もありません。(断言)
アクションゲームの宿命である「一本道」のある意味完成形を見たようなストーリーです。
「ゲーム」と「映画」の完全融合!「PLAYする映画」の完成形!
非常に多くの場面で、一般的なゲームのムービーシーンをあたかも操作するタイミングがあります。
その瞬間はまさに「ゲーム」をしながら完全に「映画」を観ている感覚に陥ります。
操作しているキャラクターが危機を脱しようとする姿に、頭の中では『カッケーー!』と思いながら、口では「危ない危ない危ない!!」と叫んでいます。
一つの場面で「ゲームをする(操作する)楽しさ」、「観て楽しむ喜び」を同時に味わっている自分に気がつきます。
似た感覚になった他の作品ですと「デビルメイクライ3」や「ベヨネッタ」などがありますが、危機的状況下における興奮度は本作が遥かに上回っています。
この感動は「プレイしなくちゃもったいない」と思うほど貴重且つ神聖に感じてしまう程の体験です。
シームレスなカットシーン導入と考え抜かれたカメラワーク
本作の映画的要素をより強めている要素として、細かく導入されるカットシーンとその後シームレスに復帰する操作パートが大きな臨場感を生み出していると言えます。
基本的にプレイヤーの観るゲーム画面は右スティックで位置を調整することが可能です。
しかし、このカットシーン後シームレスに復帰した操作パート初めのカメラ位置がなんとも秀悦だと言えます。
その後も本当に映画のワンシーンを見ているようなカメラワークへと自然にプレイヤーを導き、緊迫した状況では興奮が止むことはありません。
まるで制作陣の努力と試行錯誤の結晶が伝わってくるようでした。
そういう意味でも、ゲームへの熱意と愛情をこれ程までに感じたゲームは他にないかもしれません。
特に悪かった点
正直本作で「特に悪かった点」はあまり考えられません。
ある意味一つのゲームの完成形だと感じています。
前作以上に思い通りに動くキャラクターに、バグや処理落ちもありません。
システム面でも不満と感じる部分は思い当たらないのが正直なところです。
それでもなにかと言えば、個人的に武器のカスタマイズが出来て、その武器を常に持ち歩ける仕様であれば自分好みだったと思います。
「アンチャーテッド」シリーズでは、基本銃火器を現地調達する形で物語が進むので、お気に入りもしくは扱いやすい武器は決まってきますが、愛着がわくことはありません。
その点に関しては「ラスト オブ アス」の武器システムの方が個人的には好きなんだけどなぁ、と思った次第です。
しかし、やはりこれは「特に悪かった点」とは言い難いですね。
やはり回答としては「ほぼない」といっていいと思います。
他のシリーズとの比較
お待たせいたしました。
1作目に引き続き、3作品通して一気にプレイしたからこそ感じるシリーズ内の比較をしてみたいと思います。
それではいってみましょう。
圧倒的なアクション演出
先述したように「アンチャーテッド」シリーズ2作目である本作「黄金刀と消えた船団」で、「アンチャーテッド」というゲームはひとまずの完成をみます。
1作目で物足りなく感じた演出面も大幅に強化・追加され、常に手に汗握るゲームプレイを楽しむことができます。
パッケージ裏に書かれた「本能が冷や汗をかく。」という謳い文句は間違いない表現だとプレイした人全員が感じることでしょう。
銃弾の弾道確認が容易
シリーズ他作品に比べて、銃弾を発射した際もしくは発射された際に表示される弾道エフェクトが太く明確で、撃った場合も撃たれた場合も確認が容易だと感じました。
なので「あれっ?どこ飛んでってる?」とか「どっから撃たれてる?」と考えることはほとんどありません。
1作目(エル・ドラドの秘宝)のときは弾道ラインが細く一瞬だったため、確認が難しい場面もあったのですが、本作ではその点ストレスフリーでプレイすることが可能だと感じました。
「シールド」の初登場
シールド持ちの敵を倒すことでしか手に入れる方法はありませんが、正面からの敵の銃撃をある程度防ぐことが可能な「シールド」が初登場します。
「シールド」所持時はいわゆる両手持ち武器の携帯が不可能になりますが、戦況によってはとても有効な防御兼攻撃の手段になります。
「シールド」の耐久力も存在し、ある程度の銃弾を受けると破壊されてしまうこともあり、戦略的な運用が必要になる場合もあります。
攻防の駆け引きに、面白いスパイス的要素として非常に良い導入アイテムだったと感じました。
まとめ
PS3版「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」【評価:90点】
世界的人気シリーズの完成をみた第2作目「黄金刀と消えた船団」は、間違いなくゲーム史に残る傑作と呼べる作品でした。
1作目(エル・ドラドの秘宝)で感じた良点である美麗なグラフィックや独特の会話劇、映画的演出やストーリー展開はより洗練され、スタッフの熱意によって高い次元で完成されたと感じます。
1作目(エル・ドラドの秘宝)から始めて本作をプレイした方であれば、その進化に感動すら覚えたと思います。
私にとっても生涯忘れることのない貴重で上質なゲーム体験をさせて頂きました。
まさに「万人にオススメ出来るゲームとはこのことか!?」と感じる程、面白くないと感じる人が少ない作品であるとも思います。
まだプレイしていない方は是非、面白くなさそ~な怪しい「パッケージ(笑)」にダマされず一度プレイされてみることを強くオススメします。
最後までご覧頂きありがとうございました。