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基本情報
PS3版「SIMPLE500シリーズ Vol.3 THE 密室からの脱出 ~月夜のマンション編~」ディースリー・パブリッシャー
配信日:2011年12月22日
販売価格:514円(税込)
ジャンル:脱出アドベンチャー
プレイヤー人数:1人
ストーリー
ある日、目を覚ますと私はベランダにいた。
新しく購入したウレタン製折り畳みベッドがあまりに心地よくて、横なった後、気がつかないうちに寝ていたようだ。
中途半端な時間に目を覚ましてしまったせいか頭が痛いし、寝冷えしたのだろう、肌寒く感じる。
もうすぐアニメも始まる時間なので、部屋に戻ろうとすると。
ベランダの入り口にカギがかかっている。
外側からはカギがないと開けられないが、持っていないぞ。
さて、困った。
ゲーム概要
閉じ込められた空間からいろいろなアイテムを駆使して脱出を試みる脱出アドベンチャーゲームです。
3Dで構成された舞台の中で、その場にある様々なアイテムを調べながら脱出を目指します。
アイテムとアイテムを組み合わせたり、本来必要な道具の代用としてアイテムを使ったりして、知恵を絞りながら仕掛けを解いていく楽しさを堪能出来ます。
この手の謎解き脱出ゲームが好きな人は結構いると思いますが、私も好きなゲームジャンルの一つなので、過去にも何種類か同ジャンルのゲームを遊んできました。
その上で本作の特徴と言える部分をいくつかご紹介させて頂きます。
まずプラットフォームが「PS3」であるということ。
私が今までプレイしてきた同ジャンルのゲームは「ニンテンドーDS」でプレイ可能というものでした。
手軽に遊べる快適性を活かされた半面、腰を据えてじっくり考えたいようなゲームプレイにはある意味適していません。
大きなテレビ画面で、コントローラーを握りながらじっくり遊べる謎解き脱出ゲームを探していたところ、本作に辿り着いたわけです。
結果として「PS3」でのゲームプレイは何を行うにも処理が速いですし、グラフィックも奇麗といった機器の性能が活かされているものになっていました。
概ねストレスなくプレイ出来、望んでいた通りの満足出来るプレイ環境だったと言っていいと思います。
そして本作のもう一つの特徴として「ストーリー」があります。
私がプレイしてきた同ジャンルのゲームには、ほとんどストーリーがないようなものが大半でした。
むしろまったくないものも少なくなかったと思います。
しかし、本作には明確なストーリーが存在し、ステージ攻略を進めるにつれてストーリーも更なる展開を魅せます。
人によっては「この手のゲームにストーリーなんていらない。謎解きを楽しめればいい。」と思う人も多いかと思います。
実は私自身似た感覚でプレイを始めたのですが、地味にこのゲーム本来の楽しみ方とは別の位置で発生するユニークなストーリーに、次第に魅力を感じ何度も笑わせてもらったのは良い思い出です。(笑)
ゲームの快適性も損なわないよう工夫して仕上げられており、全体的な印象は非常に好感が持てる面白い作りになっています。
また操作方法もいたって簡単で、表示したい方向へ視点を変更するのに「L1、R1ボタン」、画面内のカーソル移動に「方向キー(左スティック)」、調べたり、項目の決定及びテキスト進行に「〇ボタン」、キャンセル及び戻る動作が「✖ボタン」にアイテム画面を開くのが「△ボタン」、メニュー表示が「セレクトボタン」です。
謎解き以外にも楽しめるユニークなストーリーとツッコミ要素が満載の面白い作品なので、同ジャンルのゲームが好きで、大きなテレビ画面で遊びたいなと思っていた方には是非ともプレイして頂きたい作品です。
レビュー
レビューまでの総プレイ時間:7時間
ゲームの魅力や楽しいポイント
難解過ぎる謎とストーリー
この手の謎解き脱出ゲームを好きな人には、ある程度満足出来る(結構難しい?)内容になっています。
謎解き脱出ゲームを割とプレイしている私にとっても、かなり難解な謎が多く頭を悩ませました。
またゲーム本来の謎解きや仕掛けと直接的な関係性は薄いですが、本作の難解度を押し上げている要因に「ブッ飛んだストーリー」があります。
その「ブッ飛んだストーリー」と世界観の為に、通常考えうるアイテムの使い方や固定観念などは、もはや崩壊していると言っていいでしょう。
本来、常識や固定観念は持ち込まずプレイすることが攻略への近道となるこの手のゲームですが、本作は否応なしに頭の中が真っ新になります。
この親切なのか笑いを求めているのかわからないゲームデザインが、実は本作の一番の魅力です。
具体的なブッ飛び例はネタバレのため、ここでは言及しませんが、このブッ飛んだストーリーを読み解くだけでも相当楽しめる作品となっています。
難易度
かなり難しい部類の謎解きになっていると思います。
しかしながら、ただ難しいだけではなく、笑える要素も数多く散りばめられていて、難しさが苦痛にならないような工夫が随所に感じられました。
遊びやすさ
セーブはメニュー画面からいつでも可能。
「行き詰ったら休憩し、思い付いたらプレイ再開」を気軽に繰り返せます。
操作方法も簡単で誰にでもプレイ可能なので、遊びやすさは満点です。
ボリューム
全3ステージ。
難易度変更などの要素はありません。
4ステージに分かれてはいますが、ストーリーの進捗に合わせて新たなステージが出現する仕様です。
テンポの良さ
操作に対するレスポンスも良く、視点切り替えやエフェクト変化もスムーズです。
捜索のテンポを妨げる要因もなく、ほとんどストレスなく快適にプレイ出来ます。
熱中度
プレイし始めると時間も忘れて熱中してしまう...。
個人的には非常に熱中度の高い作品でした。
謎解きのヒント
詰みそうになる高難度の謎がいくつか存在します。
何をすればいいか全くわからなくなった時には、以下のヒントを参考にしてみてください。
その場を離れて他を探索する
わからない謎に行き詰まったらまずはその場から離れ、他の場所の捜索に移りましょう。
本作ではその場の情報と知恵だけで回答が導き出せる仕掛けは限られています。
ほとんどの場合、点在する情報やアイテムを組み合わせて1個所の謎を解きます。
しかも「解く仕掛けとヒントになる情報が離れている場合が多い」ので注意が必要です。
なので、まずは「他に手掛かりがないか今一度良く調べた上で情報を整理」し、「どの個所の仕掛けを解くための情報なのかを改めて考えてみる」と答えに近づけると思います。
アイテムを選択したまま探索する
使用(選択)しているアイテムによって通常とは違うテキストが表示される個所が多く存在します。
なので「基本的に必ずひとつのアイテムを使用(選択)状態にしながら探索する」と効率がいいと思います。
テキストに通常とは違う変化があれば、自ずと解答に近づけるハズです。
何をすればいいのかまったくわからなくなった状態でも有効で、すべての所持アイテムを一通り選択しながら探索個所を一巡りすれば、必ず何かヒントが得られると思います。
取得したアイテムは「よ~く調べる」
取得したアイテムには調べることで変化を起こせるものが数多くあります。
概ねアイテムを適当に調べると怪しい部分はテキストで示唆してくれますが、まったくノーヒントの場合も少なからずあります。
そのため、取得したアイテムは隅々まで少しずつポインターを動かしながら何度も調べましょう。
普通は気にも留めないようなちょっとした部分が、取れたり動いたりするかもしれません。
以上のポイントに注意しながらプレイを進めれば、概ねスムーズに攻略出来ると思います。
最後まで諦めず、自力でのクリアを目指して頑張って下さい。
まとめ
総評まとめ【65点】
謎解き脱出ゲームなのですが、ストーリーが本当に面白かった作品です。
この手のゲームは、大抵ストーリーを重視していない、もしくはストーリーのないものがほとんどだと思うので、本作ではあまりにも意外なところで楽しませてもらいました。
真剣に謎を解くために考え込む中、何度も本気で笑ってしまいました。(笑)
陰鬱なイメージも皆無で、むしろ笑いながら謎を解く脱出ゲームというもので、この手のジャンルが好きなプレイヤーには是非とも体験して欲しいと思える面白い作品です。
最後までご覧頂きありがとうございました。