目次
基本情報
PS3版「Limbo」Playdead ApS
配信日:2011年8月4日
販売価格:1,234円(税込)
ジャンル:アドベンチャー
プレイヤー人数:1人
ストーリー
離れ離れになった妹を探すため、運命に逆らい少年は「LIMBO」へと足を踏み入れる。
ゲーム概要
パズル的な謎解き要素が主のアクションパズルゲーム。
すべてが影で描かれたモノトーンな世界と、容赦のない死の描写で話題を呼んだインディー作品です。
迫りくる脅威や目の前の障害、トラップを乗り越えていきます。
作品としての完成度は高いですが、あまりに陰鬱な世界観にプレイする人を選びまくるゲームです。
レビュー
レビューまでの総プレイ時間:10時間
ゲームの魅力や楽しいポイント
難解な謎解きと、要求されるシビアな操作
はじめに言っておきますと、本作は「難しい謎解きが好き」で「アクションゲームもかなり得意」という人じゃないとクリア出来ない可能性があります。
そのため、クリア出来た時の達成感は非常に大きなものになります。
連続する悪意しか感じないトラップの数々と、シビアな操作でなんとか切り抜けられるステージを楽しく攻略出来れば、これ程面白いゲームもそうないと思います。
時に美しくすら感じる、残酷なモノトーンの世界
私が本作をプレイしようと思ったきっかけが、この何とも言えない魅力を含んだモノトーンの世界です。
この世界を歩いてみたいという気持ちだけでプレイする決心をしました。
実際、闇の中にある光の表現に感動し、残酷なはずの世界で胸躍らせながらプレイする自分がいました。
影だけで表現されている世界のはずが、音や陰影、土埃などでそのモノの大きさや質感、重さをひしひしと感じられます。
この世界を構築した制作陣のセンスに脱帽です。
容赦のない死の描写
魅力というか、こだわりを感じる部分であることに間違いありません。
解説として挙げるか悩むところですが、本作をプレイするなら覚悟しなければならない要素でもあるため説明します。
昨今のゲームの中でもその死の表現は一線を画すと言えます。(リアルではないですが)
私自身も最初にトラバサミで首がもげた時はゾッとしました。
少年の姿をしたキャラクターにこんな残酷な描写を適用して良いものかと考えさせられましたが、これこそが制作陣の伝えたかったメッセージだったのかなとクリア後には感じました。
死は誰にでも訪れるし、唐突です。
時に残酷さだけが際立つ死もあります。
生きることの厳しさと死の身近さを感じたゲームです。
人によってはこの表現によりプレイ続行不可能となる人もいるかもしれませんが、せっかくプレイしたのなら是非クリアを目指して欲しいです。
クリア後にはきっと独自の解釈を得られるはずです。
何も語らないストーリーだからこそ、自分自身でその意味と全容を考察することも楽しめる作品です。
カスタマイズ性
全くありません。
難易度
簡単ではありません。
謎を解く思考力と、難関を突破する操作力を高い次元で要求されます。
何度やられても即コンテニュー出来、再開地点も細かく設定されているのでストレスはないですが難しいことに変わりはありません。
多分一周目をクリアするのに100回くらいは死んだと思います。
更にトロフィーコンプを目指すと難易度が跳ね上がります。
私は何とか挑戦一回目で成功出来ましたが「死亡回数を5回以内でクリア」という鬼トロフィーがあります。
初見で100回は死んだゲームを5回以内です。
本作をプレイした方であれば、どれほど難しいことか想像は難しくないと思います。
通常プレイでクリアすることだけを考えても、決して簡単なゲームではなかった印象です。
遊びやすさ
自分の好きなタイミングで中断セーブ出来ます。
そのためちょこちょこプレイする分でも着実に前に進める仕様にはなっています。
むしろ謎解きに行き詰まってしまった時は一旦中断して頭を休めた方がいいかもしれません。
休んでいる時に解決法が思い浮かぶこともよくあります。
非常に手軽にプレイ出来、遊びやすさはかなり高いです。
ボリューム
恐らく一周クリアするのに初見では3時間以上かかると思われます。
上手くなれば1時間以内にクリア可能です。
難解な謎とシビアな操作が要求されるステージが容赦なく続くため、正直ボリュームが少ないと感じることはありませんでした。
販売価格から言って妥当なボリュームだと思います。
自由度
全くありません。
前進あるのみ!
ゲームを有利に進める為に役立つプレイヤー能力
「パズル的な謎を解く思考力」と「キャラクターの操作能力」。
あとは何と言っても「諦めない気持ち」が一番に要求されるゲームかもしれません。
テンポの良さ
区切られたステージも課題もなく進行状況は全くつかめません。
ただテンポよくステージの情景は変わっていくので、プレイしていて進んでいる感覚と気持ち良さはあります。
次々と移り変わるステージにワクワクしながらプレイ出来ました。
熱中度
謎を解くのに没頭してしまいます。
シビアな操作が要求される場面ではとても集中します。
プレイ中は他のことを考えている余裕もないので、ある意味めっちゃ熱中してプレイしていると言えそうです。
やり込み度
クリアする為だけにでもある程度やり込む必要があります。
何故かと言うとキャラクターを手足のように動かせなければクリア自体が出来ないからです。
クリアさえ出来てしまえば、あとはトロフィーコンプのみですが、トロフィー攻略するにはさらに高次元での操作が要求されます。
自ずとやり込まざる得ない作品ですが、これを親切ととるか、やっかいととるかは人によって違いそうです。
私は難しいゲームが基本的に大好きなので、とても楽しくやり込めました。
「死亡回数5回以内クリア」は、3回死んだ後くらいから尋常じゃない集中力と冷や汗に見舞われました。
いい思い出になりました。(笑)
トロフィー攻略情報
どうしても『死亡回数「5回以内」クリア』を達成出来ない方のために提案です。
ズバリ、誰かのプレイ動画を観ながら進めてみましょう。
大切なのは「次のトラップはどんなトラップでどのタイミングで死ぬ可能性があるか」を事前に把握しておくことです。
「そんな方法使ったら余裕でしょ~」ですって?
そんなことはありませんよ。
「シビアな操作」についてはこの方法では回避出来ませんから。
あくまで「準備を怠らなければ回避出来るトラップ」の対策です。
この世界は意地悪で分かっていても回避困難なトラップで溢れています。
諦めずに頑張ってください。
まとめ
総評まとめ【75点】
今までにプレイしてきて一番難しかった謎解きアクションゲームです。(『ICO』よりも全然難しい)
それ故にクリア出来た時は最高の達成感を味わえました。
プレイする方は絶対に攻略動画などを観ずに、自力でクリアすることを強くお勧めします。
どうしても分からなかった時は、その部分だけ攻略方法を観るようにしましょう。
また、クリアした後には様々な謎がプレイヤーには残ることでしょう。
初めから明確な設定がわからない作品ですが、クリア後にはその謎がさらに深まる演出が待っています。
たくさんの考察記事が作られ、多くの人がこの世界を自分なりに解釈しています。
クリアを果たした者同士でストーリーを考察するのも、もしかしたらこのゲームの楽しみの一つと言えるのかもしれません。
なかなかにクセの強い作品ですが、得られる達成感は最高級品です。
このモノトーンの世界観に魅力を感じた方は是非自分で攻略を楽しんで欲しいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。